7/17/2011

TIOGA COCOON

TIOGA new COCOON で輪行してみました。

先日,仕事で広島県の大崎上島までの際,「電車で移動」だったのをこれ幸い,趣味のサイクリングを兼ねてしまいました。
新しく SPECIALIZED Hard Rock を組み立てた際についでに注文しておいた TIOGA製輪行バッグ,新型コクーンを今回初めて使用してみて意外と簡単だったので,輪行の普及啓発を願って記事にしてみます。

2代目となる TIOGA COCOON は以前のものよりかなりコンパクトで軽量,ボトルケージにしっかり収まるサイズで携行がとても楽です。重量も 300g 未満。
ボトルタイプとポーチタイプがありますが,ボトルタイプにはポーチもついているのでケージに入れて携行するつもりならボトルタイプをお勧めします。
とりあえず順を追って説明したいと思います。

SPECIALIZED FSR 1999
先ずは私の愛車, SPECIALIZED FSR 1999 モデル。
発売当初はダウンヒルモデルだったので比較的丈夫です。
画像の状態は前後フレームとリアサス以外はすべて最近の物に交換して,約 13.5kg とそこそこ軽量に仕上がっています。
ご覧の通りちょっと変わった形状のフレームです。
前後とも機械式ディスクブレーキ仕様でタイヤは26×1.5。
シマノ SPD ペダル,ハンドルにはペットボトル用ケージとサイコンのベースプレートをミスターコントロール製 コンピューター/ライトマウント ADP-3RCにマウントしています。
COCOON の内容物

基本的にこの状態で輪行バッグに入れます。
最終的に自転車本体からはずして持ち運ぶものはありません。

自転車を駅の改札に程近い場所に立てかけます。
もちろん他の利用者の邪魔にならないよう細心の注意を払って場所を確保します。
先人たちが行儀良くマナーを守っていたからこそ,公共機関で輪行が許されているのだということを常に念頭において作業しましょう。

輪行中に不要なものはなるべく収納
輪行バッグをボトルから出して,バッグ本体を畳んだまま前輪の下に敷きます。
これは床を傷つけないためですが同時にフロントフォーク先端を守るためでもあります。
ライトやサイコンなど簡単に外れるものは全て外し,コクーン付属のポーチと共にボトルに収めます。

紛失してトラブルにならないように自分の自転車のどれを外してどう持ち運ぶのか事前にシミュレーションして下さい。

私の場合は前後のライトとサイコンとコクーン付属のポーチをなるべくぴったり収まるように詰め込みます。
入るようならグローブを一緒に入れてもいいでしょう。

上部の空間をポーチで埋めるような感じ
詰め込んだら,そのまま自転車のボトルケージにセットします。

今まで輪行中にボトルが外れた事はありませんが,もし外れてしまってもフレームを傷つけるような事はありませんし,簡単に再セットできます。

自転車を担ぐためのベルトをつけます。
短い方をハンドルステム,長い方をシートポストに取り付けます。
輪行中はこのベルトを肩に掛けて自転車を持ち上げるので,持ち上げた時に重量がかかってもずれない場所に,他のワイヤーなどを巻き込まないように注意します。
サイコンのケーブルに注意

サドルバッグが無いのでやぐらのすぐ下に巻きました


ペダルはつけたままで OK
フロント側はサイクルコンピュータの信号線に気を付けましょう。

シートポスト側はなるべく上方,サドルのすぐ下がいいと思います。
サドルバッグをつけている方はうまくかわして下さい。

ベルトを取り付けたら,前後のベルトはまだ繋がずに,作業の邪魔にならないよう垂らしておきます。

ここまで終わったら,次はクランクを固定します。


ななめ前から
ペダルを外したほうが輪行しやすいのですが,多くの場合専用工具が必要なので今回は外しません。

もし外す場合は外した穴を使ってクランクを固定してください。

クランクを固定したら前輪を外します。
ほとんどの人はクイックだと思いますが,クイックじゃない場合は工具を使って外してください。

工具の重さは結構な負担なので,前輪だけでもクイック仕様にしたほうがスムースです。


外した前輪は今まで自転車を立てかけていた所に置きます。


ななめ後ろから
この時点でうまく三点支持になって自転車が自立すれば,作業が少し楽になります。
もしうまく自立しないならコクーン付属の固定用ベルトを自分の近く,手の届く場所に引き寄せておきます。

幸い私のは自立しますので以後自立する前提で書き進めます。

ここから外した前輪を固定する作業に移ります。
固定するのは自転車の右側。
ディレイラーやチェーンラインのある方です。
シートポストの下端に固定

前輪はついていた方向のまま,ディスクブレーキ仕様ならディスクを左側にして前輪とフレームの間にディスクがくるようにします。

そしてフロントスプロケットのアウターリングやフレーム,ボトルケージ等と,クイックスキュアーやブレーキディスクが干渉しない位置を探します。
必要ならブレーキディスク周辺に雑巾などを挟みます。
大体の位置が決まったら,最初にシートポスト側を固定します。

Vブレーキ用の台座を利用
この時あまりテンションをかけすぎないように注意します。
とりあえずちょっとゆるめにしておいてもかまいません。

次に一番後側,スイングアームと結束します。
前輪が前にズレないようにするためなので写真のように引っかかる位置を探します。

 フレームの形状によって上側でも下側でも一番いい場所を探してください。


フロントフォークと結束
今度はハンドルを右に 90度切ります。
ハンドルを 90度切った状態で,フロントフォークの右側と前輪を結束します。

この時点で前輪の位置に注意しながら前輪がきちんと固定できる程度に全体のテンションを強くします。

最後に前三角のアッパーフレームとハンドルバーで挟み込むように前輪を固定します。


アッパーフレームの傷防止雑巾
私の場合はフレーム形状のせいで挟み込めません。
前輪の固定が大事なのでハンドルバーはあきらめて,アッパーフレームと前輪を結束します。
一応傷防止の雑巾を挟み込みました。

最後にもう一度前輪がきちんと固定されているか確かめます。

どこかゆるい所があれば前輪の位置を確認しながら締めなおします。
前輪が確実に固定され,且つブレーキディスクやフロントスプロケットのアウターリング,スポーク,ボトルケージ等が互いに触れていないかも確認します。
右側から
左側から










後ろから
うまく固定できれば写真のように自立させることが出来ます。
自立できれば電車内で有利です。

後は,袋詰めするだけです。
フロントを少し持ち上げて,下に敷いてあったバッグを広げて先ずはハンドルの左端(前方に突き出ている先端)に袋の先端が来るようにかぶせます。
かぶせたら自転車の前側を上にしてほぼ垂直に立てます。
若干前に傾けて足を後輪のストッパ代わりにすれば自転車がうしろに動かなくなって作業しやすいでしょう。
間違っても自転車を倒して床や壁に傷をつけたり,ましてや通行人に怪我をさせたりしないよう十分に気を付けて慎重に作業します。

その状態で自転車の下側を袋に入れてしまいます。
ある程度袋に入ったら自転車を元の姿勢に戻します。

まずはハンドルを基点に
バッグが前方に余ってしまわないように後ろに押しやりながら,全体を袋詰めしていきます。

同時に下側から徐々にファスナーを閉めてゆきます。
一回でサッと閉まればOK。
突っ張って閉まりにくいときは,前方にバッグが余っている可能性があります。

ゆっくりバッグ全体を後ろに引っ張りながらファスナーを動かせばそのうち一気に閉まりますので根気良く,丁寧に作業しましょう。
 
左側,ロゴなし
最後に肩掛け用のベルトを前方の穴から出して,シートポスト側とつなげればほぼ終了です。

私はこの後予め外しておいた monkii mono と monkii wedge を取り付け, さらにヘルメットをサドルに引っ掛けます。
 
持ち運ぶときは自転車の左側に立ち後ろを向いて左肩に担ぎ,右手はシートポストを掴みます。
まぁ参考までに。各自の運びやすいようにしてください。 

右側,ロゴと進行方向の矢印付
だらだら書きましたが,本番前にしっかり練習して,自分のフレーム形状と前輪を固定する位置関係をしっかり決めておくのは必須です。
私はまだ二度輪行しただけですが,準備にかかる時間は大体10分です。
自分でどのくらいの時間が必要か把握して,公共機関に乗り遅れないよう余裕を持って作業しましょう。


今回のように前輪だけ外すなら工具は一切必要ありません。
気軽に輪行して知らない土地を気持ちよくサイクリングしてはいかがでしょうか?

この状態で自立します

最後に輪行に於いて重要なことは
他の利用客の迷惑にならない
事です。
これには公共の建物に傷をつけないことも含めます。

分解してバッグに詰めるというのは最低限のマナーだと思って下さい。
この TIOGA COCOON のように前輪しか分解しないものは特に,後輪も分解したとしてもやはり自転車はかなり大きな荷物です。

なるべく人の少ない曜日や時間帯を選ぶことはもちろん,電車内では必然的に出入り口付近のスペースを利用することになると思いますが,停車駅で邪魔になりそうなら自転車を抱えて一度降車し,他のお客さんが全員乗車してから最後に再度乗車するくらいの心遣いが必要です。

後に続く若きサイクリストたちが気持ちよく輪行できるように,先人たちの築いた環境をより良いものにするために日々尽力しなければなりません。
そうすればいつの日か電車内に大型荷物用のスペースが常設されたり,荷物を固定するための金具が設置されたり果てはサイクリングロードが完備されたりするかもしれません。


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