年賀状を出すほとんどのご家庭では既に印刷済みかと思いますが,私個人は年賀状は正月休みに書くものであって一月一日に届ける必要はないと思っていますので,毎年12月になってからゆっくり準備します。
近年はインクジェットプリンターの急速な普及によりその性能は爆発的に向上し,デジタルカメラの普及と相まって高機能・高精細なプリンターが買いやすい価格で提供されるようになりました。
さらにはパソコン必須である程度のスキルを要求されたスキャナ機能を統合し,今やボタン一つでカラーコピーは当たり前,誰でも容易に使える”複合機”に進化し,プリンターと言えば複合機と言っても過言ではない状況です。
そしてベストな印刷状態なら専門業者顔負けの印刷結果を残せます。
ベストな状態なら......ね。
これが非常に難しい。買って間もないまだ新品同様の頃ならまだいい。
使用状況にもよりますが,三か月も経てば印刷前のヘッドクリーニング必須。
印刷結果に拘って機種を選定した以上, 1ラインの抜けも許し難いなら特に。
月日が経つごとに印刷前のヘッドクリーニングの回数は増加し,印刷よりクリーニングでインクと時間を消費するというジレンマに陥ります。
そしてご存知のようにインクが高価い。高価いから結局ある程度の目詰まりは妥協して印刷。
「ちょっとまて,インクジェット式に拘ったのは綺麗に印刷するためではなかったのか?」
これは誰もが通る道だと思います。
最終的には買い替えの時期に来ているという結論に達する訳です。
そこで今回,プリンタをインクジェットからレーザーに買い替えました。
これで無駄なヘッドクリーニングとテストプリントの時間から解放され,高価なトナーを印刷だけに使用することができます。
おそらく実際のトータルコストは変わらないと思います。
インクジェットの場合はヘッドクリーニングの回数で印刷コストが大きく変化しますが,レーザープリンターには無関係です。
心配なのは写真印刷時の画質ですが, 5,760x1,440dpi が当たり前のインクジェットプリンタと比べてレーザープリンタのほとんどは 600x600dpi ですから察して知るべし,写真画質には程遠いです。
じゃぁどの程度なのかテストしてみました。
TESV の地図 A4全面に印刷 |
印刷物をスキャナではなくデジカメで画像化していますので,均一にピントが合っていませんが,スキャナで取り込むより実際の見た目に近かったのでこちらを掲載しました。
以降の写真も同条件です。
掲載にあたり,目視に近づけるため若干補正しています。
どうでしょう?
これがヘッドクリーニングもテストプリントもなしに数秒で印刷完了します。
普通紙 120x80 mm |
普通紙に 120x80(mm) の大きさで印刷しました。
元のデータは 5,616x3,744 pix。
近寄ってみると細部は再現できていませんが写真に見える程度に綺麗です。
普通紙でこの結果は満足です。
光沢紙 120x80 mm |
用紙設定は光沢紙にしています。
光沢紙は普通紙と比べて表面がなめらかなので,それがそのまま画質に反映されている感じです。
劇的な画質の向上はありませんが,全体的に少しシャープな印象を受けます。
普通紙 120x80 mm |
金属光沢や山肌の砂粒の感じなど解像度を考慮すれば十分です。
空のグラデーションも普通の距離で見るなら問題ありません。
直近で見るとカラーレーザープリンタ特有の模様が見えてきますが,目がよくないと判別できない程度です。
光沢紙 120x80 mm |
やはり全体にシャープです。
色が薄いのは紙の色の影響です。
普通紙より光沢紙のほうが白くて透けにくいため,それが見た目に影響しています。
普通紙 等倍マクロ |
かなり縮小していますがカラーレーザープリンタ特有の模様が見えると思います。
光沢紙と比べるとカラーパターンが均一でないのが判ると思います。
そのせいか光沢紙のほうがタンクの反射が鮮明に見えます。
光沢紙 等倍マクロ |
カラーレーザープリンターに買い替えて思ったのは,手軽に素早く均一な印刷結果が得られるというメリットは考えていた以上に重要だということです。
今回はカラー印刷の結果をテストしましたが,モノクロで文章を印刷するならレーザープリンターの圧勝です。
全く滲みのないシャープな印字結果はインクジェットプリンターでは最も苦手とするものです。
最後になりますが,私が選んだのは ブラザー工業製 HL-4570CDW です。
フェイスダウンスタックに自動両面印刷,家庭の LAN に接続してどのパソコンからでもどのスマホからでも簡単に上質な印刷結果がごく短時間で得られます。
この手軽さには写真画質は他の昇華型プリンターに任せるか写真屋さんで印刷すればいいと思わせてくれる力があります。
写真画質を追求するあまり,専用紙にしか満足できる結果を残せず,複合機として高機能化することで延命を図るインクジェットプリンタ。
普通紙に滲んだ印刷結果に不満がないならそれもいいでしょう。絶対数が多いことからくるコストの利点も認めましょう。
それでも黎明期から自宅でカラー印刷に携わってきた一人としてこう言いたい。
インクジェットプリンタよ さようなら
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